書籍・雑誌

2008年9月28日 (日)

 『花のくすり箱』

『花のくすり箱(講談社)』という本を読んでいます。

身の回りでよく目にする植物の薬効を実践的な使い方で紹介しているこの本を読んでいると、道ばたから庭先までありとあらゆる場所がくすり箱に見えてきます。

アロエやどくだみ、玄草(げんのしょうこ)などはすぐに薬としてのイメージが湧きますが、柳や朝顔、紫陽花にも薬効があるのには驚きました。なかでもこの時期きれいな彼岸花の鱗茎(地中にできる)が肩こりや乳腺炎に効くなんてビックリです。

この本ではそれぞれの植物にちなんだ俳句や川柳も紹介されていて、また違った読み方が出来るのも魅力です。おまけに巻末には症状別索引までついていて至れり尽くせりの構成になっています。

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2007年5月 2日 (水)

『収ったり、出したり』

堀井和子さんの本『収ったり、出したり』(幻冬社)を読みました。

ずっとずっと気になっていた家中の物たちの整理整頓をしようと思っていた矢先に図書館で見つけました。

暮らし方が人それぞれ異なるようにしまいかたも人それぞれ違ってあたりまえ。世にあふれる収納術のHOW TOは参考になってもやっぱり結局最後は自分のスタイル。堀井さんいわく「収うというのはすごくプライベートなこと」。

読み始めてすぐに大きくうなづいてしまったのが「収えないものがはみ出たまま広がっていくと、人間のための空間が狭くなる。狭くなると、一日をのびのびゆったり過ごす気持ちが減るのだ。」という部分。以前から家の中の物たちがきちんと片付いてないとなんだか精神状態が良くなくなってくるように感じていたけど、こうやって言葉にしてもらってすごくすっとしました。

堀井さんちでは吟味されて選ばれた物たちが、居心地の良いスペースを見つけてもらって大切に収われています。北欧のコーヒーポット、1980年代初めに買ったという高級腕時計とでも交換できないぐらい大切な紙ナプキン、面白い形のカゴ、ほうろうのフライパン、皮の手袋などなどいろんな形のいろんな物がどうやって堀井さんちにやってきて、どうやって居場所を見つけてもらったのか。それぞれにストーリーがあります。

ものを真剣に選ぶ、何を捨て何をとっておくかを自分に問う、整理や片付けは気が向いたらいつでもやる、収いかたも自分の美意識を感じられるレイアウトでデザインする、などが堀井さんの収うルール。「私があれこれやっている収い方は、他の人には全く参考にならないと思う」と書いてあるけど、考え方としてすごく応用のきくものだと思いました。

そして堀井さんがルールのいちばん初めにあげたこと「出したら元の場所に収う」。簡単なんだけど、あたりまえなんだけど、よ〜くわかってるけど、ついつい守れないルール。これを守ればこんなに大変なことにならなかったんだよな〜とため息つきながら、物に侵食された部屋でパソコン打ってます・・・。

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2006年10月31日 (火)

養老先生の参勤交代のすすめ

私が尊敬している人のひとりである養老孟子先生の『ニッポンを解剖する』という本(対談集)を読んでいます。

この本でも他の本の中でも養老先生が言っているのが「日本人はすべからく参勤交代せよ」との提案です。

都会に住んでいる人は1年に1回は田舎へ行って、意識の中に自然を取り込み閉じている意識(壁)をひとりでに開かせようということです。

また1日15分でいいから、虫でも木の葉っぱでも人間がつくらなかったものを見ろとも言っています。虫や葉っぱなら都会でも見ることはできますが、慌ただしい都会の生活の中では15分って案外長い時間かもしれません。

連日のように報道されているこどもの自殺や児童虐待のニュースなどの悲しい事件を減らすヒントが養老先生の提案する「参勤交代」の中にあるのではないかと思います。

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2006年7月19日 (水)

『魔女の薬草箱』

ここ10年、魔女について取り組んでいらっしゃったドイツ文化のスペシャリスト西村佑子さんの著作『魔女の薬草箱』(山と渓谷社)を読みました。

魔女と言えばホウキにまたがって空を飛んでいるイメージがありますが、魔女たちは「空飛ぶホウキ」を持っていたわけではなく、空を飛ぶための軟膏を自ら作りそれを体に塗って空を飛んでいた!なんていう驚きのエピソードからこの本は始まります。「空飛ぶ軟膏」のレシピは不明ですが、「魔女の軟膏」のレシピが3つ紹介されていて、レシピに登場する薬草についての詳しい記述があります。こうなってくると、実際に作ってみたくなるのが人情というものですが、レシピの中身は薬草ばかりではなく、阿片や人間の脂肪、新生児の肉(!)などが必要ということで、怪しげにぐつぐつ煮え立つ大鍋をかき混ぜる魔女のイメージがよみがえってきます。

もうひとつ、私が興味をひかれたのは魔法の薬草の王様と言われる「マンドラゴラ」の項目です。英語では「マンドレーク」。この名前でピンとくる方もいらっしゃるかと思いますが、『ハリー・ポッターと賢者の石』で魔法学校の生徒たちが引っこ抜いていた、世にも奇妙な植物がこの「マンドラゴラ」です。有毒な成分を持つこの植物、大きな葉はふさふさした人間の髪の毛、太く2つに分かれた根は人間の下半身のように見えることから恐ろしい言い伝えが。マンドラゴラの根は掘られるときに恐ろしい悲鳴をあげるので、掘る人は耳栓をしないと発狂するか死んでしまうというのです。
とっても怪しく恐ろしげなマンドラゴラですが、日本語では「恋なすび」、ドイツ語で「愛のリンゴ」と訳されていて、古代エジプトでは3大媚薬の一つに数えられていたそうです。

「魔女」というキーワードをもとにシェイクスピア『夏の夜の夢』やゲーテの『ファウスト』、ワーグナーのオペラなど様々な芸術作品の中でのエピソードが紹介されているのも、この本の大きな魅力となっています。また、薬草のイラストや魔女たちが集まるサバト(黒ミサ)の図版などもたくさん掲載されていて目でも楽しめる内容となっています。

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2006年7月 6日 (木)

『ケンタロウんちの食卓』

お料理本って本当にたくさん出版されていて、「料理家」という肩書きも有名な方だけでも次々と名前を思いつくほどたくさんの方が活躍されています。でも実際に本を手にとってじっくり眺めてみると、自分の好みに合う本というのはけっこう限られています。紹介されている料理や作り方、本としての全体的なデザイン、料理の写真はもちろんのこと、私の場合は本のはしばしから伝わってくる料理家の人柄というのがお気に入りの決め手になります。

ケンタロウさんは美大出身で在学中からイラストレーターとして活躍されたのちに料理家になられたという経歴の持ち主で、「簡単でおいしくって、洒落っ気があって現実的なもの」という料理のモットーの通り、素材の顔がはっきり分かるシンプルなレシピ、気取ってないけどかっこいいお料理をたくさんの著書で紹介してくださっています。

『ケンタロウんちの食卓』はそんなケンタロウさんちで食べられている食卓の定番で、「スパゲティナポリタン」や「ひき肉コロッケ」など身近な定番料理に始まり、家庭での特別なひと皿、休日お昼ごはん、おやつ、小さいおかずとバラエティー豊かなメニューが満載です。

そしてこの本の中にはちっちゃい頃のケンタロウさんとお姉さんの写真がたくさん収められているのが、とっても魅力的です。キッチンでお手伝いをしているらしき姉弟、木馬に乗って嬉しそうに笑うケンタロウさん、お雛様をバックに手作りケーキに生クリームを塗るお母さん(小林カツ代さん)の手元を見つめる姉弟・・・。どれも何気ないスナップ写真でありながらかけがえのない家族の時間を切りとっているすごく素敵な写真ばかりです。ケンタロウさんが愛情たっぷりの家庭で育てられたことがこの本のあちらこちらのページからじわじわと伝わってきます。

「食べること」ってすごく大切だな〜と普段から思っているのですが、おいしいものを食べる時間を家族や友人と共有しながら生きることは、体の健康のためだけではなく心を育てるものなのだと実感しました。

この本の中でケンタロウさんがちっちゃいころにはできなかった、でっかい夢をかなえているページがあります。きっと誰もがちっちゃいころに一度はみた夢です。夢をかなえて「大人って最高。」と思える素直な心を持ったケンタロウさんの人柄が最高!です。

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2006年6月14日 (水)

『なごみのまんじゅう手帖』

おまんじゅうは好きですか?私はおまんじゅうに限らず和菓子が大好きです。

「おいしいもの、可愛いもの、懐かしいものが好き」な佐々木ルリ子さんと、「日々のおやつ生活を見そめられて、まんじゅうの本作りに参加」することになったデザイナー菅原すみこさんが作った、見て楽しい、読んでニッコリ、おまんじゅうの魅力が満載の本が『なごみのまんじゅう手帖』(河出書房新社)です。

日本各地のおいしくて可愛いおまんじゅうたちが、さまざまなジャンルに分けて紹介されています。その分け方にも著者のお二人のセンスが光ります。動物、びっくり、お金持ち、くだもの、乙女・・・。テーマに合ったものならば、バイオリン型のチョコレートやマッチの一本一本にだるまさんの顔が描かれた「だるマッチ」など、ちょっとレトロ感のある可愛いものがちょこちょことおまんじゅうに混じって紹介されています。甘いものが苦手な方はコンビニの中華まんや、肉まんの作り方のページがおすすめです。おまんじゅうについてる栞や、包装に使われたシールなども眺めるだけで楽しくなります。

この本を見たらもう絶対におまんじゅうが食べたくなってしまうに違いありません。「これはぜひとも食べてみたい!」というおまんじゅうが見つかったら巻末へ。北は北海道から南は沖縄まで本文中で紹介されているおまんじゅうメーカーの連絡先がちゃんと載せられています。

どのページを開いても楽しい金太郎飴のようなまんじゅう手帖、ちょっとしたストレスやイライラした気持ちを和ませてくれることうけあいです。

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2006年6月 6日 (火)

『アボカド バンザイ!』

ねっとりクリーミーで濃厚な味がおいしいアボカド。そんなアボカドのお話だけで出来ている本を見つけました。株式会社地球丸から発行されている『アボカド バンザイ!』です。

アボカドの皮のむき方からアボカドに貼られているラベルシール、アボカド関連商品やアボカドの栽培日記までありとあらゆるアボカド情報が詰まっている、アボカドファンにはたまらない内容となっています。もちろんアボカド料理やアボカドスイーツのレシピもたくさん紹介されています。

私が一番びっくりしたのはアボカドの品種の多さです。私たちがスーパーなどで買うことのできるのは皮が固くて輸送に耐えうる強度を持つ「ハス」という品種ですが、その他にもたくさんの品種があり、ほんのわずかですが日本でも栽培されて流通しているアボカドがあるということです。

知っているようで知らないアボカドの世界・・・。この本1册でアボカド博士になれそうです。

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2006年5月 9日 (火)

『フレグラントガーデン』

『フレグラントガーデン』(文化出版局)という本を読みました。タイトルで分かる通り「薫る庭」です。いい香りのする植物をたくさん植えた庭のある家に住みたいというのが私の夢ですが、そんな庭づくりを実現された広田さんご夫妻の共著です。

バラやジャスミンなど一般的に香りの良さが知られている植物をはじめ、300種類ほどの香りの植物が紹介されています。ふだんよく目にしているのに、いままで香りを意識したことのなかった花もたくさんありました。これを読むと、道ばたで見かける花の香りをいちいち確かめたくなってちょっと困るかもしれません。

八重桜の花を使って作る「桜の塩漬け」や、なんとも色の美しい広田家のスペシャリティ「バラのシャーベット」の作り方、スターアニス(八角)にそっくりの実をつけるシキミのお話など興味深いお話もたくさんあります。

そして私が一番心惹かれたのは、「欧米では(フレグラントガーデンは)目の不自由な人やお年寄りを慰める香りの庭を意味することも多い」というコラムでした。色や形の美しい花を目で見ることができなくても、植物の香りを感じて気持ちが安らいだり、楽しい思い出を甦らせて幸せな時間を過ごすことは可能です。点字の標識つきの安全な植物園、庭の芳香が窓から流れ込むホスピス。香りが人を慰めたり、勇気づけてくれるものであることを再認識することができました。

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2006年4月 3日 (月)

『晴れたらバラ日和』

松本路子さんの『晴れたらバラ日和』(淡交社)という本を読みました。都会のマンションのルーフバルコニーで松本さんが愛情こめて育てたバラたちの写真と、バラにまつわるお話がおさめられています。バラと聞くとなんだか派手で大げさなイメージが浮かんでしまうかもしれませんが、松本さんのバラの写真はむしろ控えめな風情で過剰な自己主張はなく、とても素直にありのままの姿で咲いている様子が伝わってきます。松本さんのルーフバルコニーで開かれる「バラとシャンパンの宴」に招かれた(幸運な)人々との会話やパーティでの出来事、バラの名前にまつわるエピソードなどがシンプルでありながら、知性と愛情がたっぷりつまった文章で綴られていきます。この本を読んだら5月のバラの季節がとても待ち遠しくなりました。

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