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2010年9月 7日 (火)

AEAJ 第17回 専門セミナー

土曜日、国際フォーラムにて行なわれた(社)日本アロマ環境協会主催 第17回 専門セミナー「天然精油の基礎化学と調香技術におけるその役割」を聴講しました。

「天然精油の基礎化学」の講師はAEAJ認定アロマテラピープロフェッショナルであり環境委員、香料界の重鎮といわれる三上杏平氏。アロマテラピー業界では精油の化学や調合を専門に教えていらっしゃるとのことで、精油関連の著書も多数。

精油は500以上もの有機化学物質で構成されていること、有機化学の原点は炭化水素であり、そこに各種類別官能基が関係していること・・・と始まり、アロマテラピーでは炭素・水素・酸素・窒素が中心となること、テルペン類、芳香族、脂肪族と専門的(化学に詳しい方にとってはごくごく初歩的内容かと思われますが)な説明が続き、官能基別の簡単な見分け方や該当物質例(この辺りでやっとなじみの名前が頻出)、炭素に直接水酸基が付くフェノール類の方が、間接的に水酸基の付いている芳香族アルコール類よりも香りと刺激が強いことなどのお話があり、最後は元素の周期表のおまけ付き。

お恥ずかしい話、アロマセラピストとしてこれではいかんと思いつつも、化学は苦手。試験では無事正解してパスしたものの「元素の周期律図」や「構造式例」が出てくると、体が拒否反応を起こすためか睡眠は十分足りてるはずなのに睡魔が・・・。C、H、O、時々Nぐらいしか出てこないのに、それでも辛い。

講演中に何度も「セラピストはもっと精油やキャリアオイルの化学を勉強するべき」とおっしゃる三上氏の言葉が耳と心に突き刺さり、反省しきり。

元素の周期表は芸術的だし、整然としていて眺めるのはけっこう好きなんだけどな〜、って言い訳にもならないようなことをつらつら思ったりしました。


そして2つめの講演「調香技術とフレグランスの中の精油について」、こちらの講師はAEAJ理事であり、精油委員、(株)資生堂の香料開発研究グループ 特別研究員&チーフパフューマーの堀田龍志氏。パフューマー暦30年の大ベテラン調香師です。

合成香料の誕生から150年ほどが経った今、香料界でも天然香料が見直されてきており、時代の流れとして「自然に優しい」「サステナブル」といったエコロジカルな考え方を取り入れたものが多くなってきているそうです。

香料の歴史として、古代〜ローマ時代は紀元前15万年前の旧ネアンデルタール人の遺跡から発見された死者への弔いとしての香りのする木や草花の跡、クレオパトラは自分の船の帆にクローブの香りを塗り込めていたので、港の遠くに船があっても潮風で運ばれる香りで、彼女が帰ってきたことが分かった(!)とか、ローマ皇帝ネロのバラ好きエピソードなど。

中世〜現代では11世紀初めのアラビア人によるアルコールと水蒸気蒸留技術の発明により、色々な香料が創られるようになったこと、元祖香水といわれる「ハンガリー水」の出現、お抱え調香師を連れてフランスに嫁いだカトリーヌ・ド・メディチ、柑橘系の香りを愛したナポレオン1世、反対にアニマル系の香りを愛した妻ジョセフィーヌ(香りの好みが違いすぎて夫婦仲にまで影響したとか)。そして19世紀中頃に合成香料が誕生したことによって、調香師の香りのパレットが彩り豊かになり、新しい香りが次々と生み出されていくようになります。

時代によって香りの流行の変遷があり「歌は世に連れ、世は歌に連れ」ならぬ、「香りは世に連れ、世は香りに連れ」の感があります。

ちなみに2000年以降の現在はフルーティな香りが人気だとか。また、天然香料の良さが再び見直されたことにより、バラの天然香料の使用をはっきりと謳っている商品も少なくないそうです。

講演は引き続き「天然香料について」「合成香料について」「調香の歴史」「調香師の調香とは」「香りの構成」「フレグランスの香りに見られる天然香料」「香料に関する安全性の意識の高まり」と続きました。

どれもこれもが興味深いお話ばかりで、アロマテラピー関係者ならずとも香り好きにはたまらない講演でした。(本当はひとつひとつ詳しく書いていきたいところですが、長くなるのと大阪での講演がこれからなので控えたいと思います)

堀田氏の講演で一番印象に残った言葉は「自然は優れたパフューマーである」です。抄録には「天然香料はそれ自体が完璧なバランスで調香されている、いわば自然という調香師が創り上げた調香のお手本のようなものである」と書かれています。

この言葉を聞けただけでもここに来た甲斐があった!と思うような、精油を愛する者としては感無量の一言でした。

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